格闘!ドイツのワーホリビザ
~前略、今回はいつもの清いユーモアあふれる「なおや」ではなく、人間味のあふれる黒い部分がでているかもしれませんので、がっかりしないでね。
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ビザ。
海外に滞在する時は必ず必要なもので、色んな書類を事前に揃えて、申請をして、長い間待って、やっと許可、不許可の結果がでるという、海外在住者には切り離すことの出来ない面倒な手続きなのである。
旅行の時にはそんな手続きいらんと思いがちやけど、実はこれは日本のパスポートがなんと世界最強で、
「この手続きをしなくても旅行なら来ていいですよ。」という受け入れてくれる国の数が世界最多という、なんとも誇らしいことなのである。
例外として、例えば日本人がロシアに旅行に行きたい時は事前手続きが必要で、逆に日本に来るドイツ人は不要やけど、ブラジル人は金持ちであろうがなんであろうが、手続きをしてビザのシールをパスポートに貼らなければいけない。
なんとも国と国民の信頼度が試されているような気がする、そんなパスポートの強さなのである。
日本の大経済を支え、海外でも礼儀正しく、お金も使う日本人の皆様には感謝である。
前回お伝えしたとおり、ドイツにはワーキングホリデーというビザの申請をして、1年間滞在する許可をもらう手続きを行う必要がある。
今回はその時の話をご紹介したいと思う。
ワーキングホリデービザは、条件と書類が揃っていれば即日で貰える、申請が一番簡単な種類のビザで、申込書、パスポート、一年間の保険と約30万円ほどの預金残高の証明を出せば、許可がおりる。
だたし年齢制限があり31歳の誕生日を迎えるまでに手続きをしないといけない。
心配だったのは、預金残高の証明書を日本を出発する前に、UFJ銀行の分で用意しており、発行からしばらく経っているので大丈夫かなというところだった。
心配しながらだったが、ドイツ語が話せない僕の為に、トムが役所についてきてくれることになった。
ドイツは移民受け入れ大国で、各国から色んなビザの申請にこの役所に集まる。
7時半に開所だが、6時の時点で入り口前には大行列で、寒いな中、二人で並んだ。
並んでるときに、トムがタバコ吸いにいったと思ったら、コーヒー持って帰ってきてくれた。
どこまでも優しいやつ。
ドアが開くと同時に一斉に役所内になだれ込み、僕も窓口に向かい、受付番号を受け取り、待合室で待機していた。
僕は小心者で、待っている間はずっと(大丈夫かなー。大丈夫かなー。)と心の中で思っていた。
なぜなら、このタイプの役所の人間は、まぁ愛想がなく、時には頭が悪く、いろいろな難癖をつけてくる人もいると、色んな人から聞いたり、他の体験談などをネットでみていたからである。
海外在住者の方は必ずといっていいほど経験があるのではないかと察する、ビザの手続きが面倒くさいと言われる所以なのである。
僕の順番になり、手続きをする部屋に入室した。
僕の担当をしてくれるのは同い年ぐらいの、別にやりたくてこの仕事やってるわけじゃありません。という雰囲気が漂うけど、悪い人じゃなさそうな男性だった。
「ワーキングホリデーの申請に来ました。」といい準備していた書類を全部渡すと、彼は「オーケー。」といい、一通り書類に目を通した。
過去の経験から、こういう時はあれこれ言わずに、要件だけ伝えて、後は相手から質問されたことに答えていくといのが最短ルートで、相手に不快感を与えない最適に方法をわかっていた。
もし、僕が「私は日本人で、ワーホリのビザを取りに来ました!ドイツに来る前にはいろいろ旅してたもんやから、この預金証明もちょっと古くて、でもお金はあるから安心してね!でもって、これが申込書でー、これが保険の契約書でー。。。」などと言っては心象最悪で、相手にストレスしか与えないのである。
日本人なのはパスポートみりゃわかるし、ドイツの前に旅してたことなんて、彼にとっては目の前の消しゴムのカスよりどうでもよく、預金証明が古いのも見ればわかるし、お前が金もってるかどうかなんて、証明できなきゃ意味ないんじゃ。あほんだら。といったところである。
特に50代以上の人がよくしがちなことなので、これを読んでドキッとする方は、次回、何かの窓口やカスタマーサービスに電話する時は、一旦黙りなはれ。とアドバイスしたい。
「仕事はまだ決まってないの?」「あーこの証明古いんやなー。」と軽く質問され、「一回申請通して見るから待合室で待っててねー。」とのことやった。
しばらく待って、もう一度呼ばれたが、やはり、残高証明が古いということで、一発では貰えず、後日再手続きとなった。
「新しい日付の証明書と、もし仕事決まってたらそこの契約書も持ってきてね。ほんならビザおりるから」とのことだった。
やっぱりか。。。と思ったけど、兄ちゃんの対応が良かったというか、普通だったので、まぁしゃあないか。と気を取り直して、一日無駄にしてもうたな。とトムとランチして家に帰った。
後日、作りたてのドイツの口座にお金をいれて、明細書を準備して、改めて手続きに向かった。
今回はトムが仕事だったので、1人で(いい人にあたりますように)と祈りながら待合室にいた。
が、しかし、祈り届かず、今回の担当者の女は、まれにみるクソッタレやったことを先にお伝えしておく。
番号が呼ばれ、入室し「HALLO」と挨拶するも、僕の顔をチラっとみただけで返事なし。
この時点で、(ハズレひいてもた。)と感じた。
「一度手続きに来たけど、必要な書類を改めて持ってきました。」というと、返事もなく、書類を受け取り、パソコンで状況を確認していた。
すると、
女「ワーキングホリデーよね?あなた30歳だから、もう申し込めないけど?」とぶしつけに言うてきた。
そんなはずはなく、31歳の誕生日までという条件はワーホリの一般的な条件で、確かだったので、
「そうではなくて、31歳の誕生日まで申し込み可能というのは公式のホームページにも記載があるので確認お願いします。」と淡々と答えた。
こっちはこの手続きの為に、調べ倒したっちゅうねん。と思った。
そいつはパソコンで条件を再確認しており、自分の間違いに気づいたようで、改めて無言で僕の書類に目を通しはじめた。
何か一言あってもええやろうに、この女にはそういう思考はない様子。
(まぁ、ええけど。。ほんならはよして。)と思いながら、しばらくジーッと何も言わずに待っていると、
女「あなた、前回仕事の契約書もってくるように言ってたはずだけど、それはどこ?」と問われたので、
僕「それは、もし決まったら持ってきてと言われただけで、必須書類ではないはずですけど。」と答えた。
するとクソ女はここが落とし所と思ったのか、
「あなたドイツで仕事するんでしょ。どこで働くか決まってないのに、許可下ろせるわけないじゃない。」とバカにするように言ってきた。
ここまで来ると仏のなおやと呼ばれた僕も、さすがにイライラしてくる。
僕は「僕が申し込むのはワーキングホリデーといって、勉強でも仕事でも、どっちでもできる、期限付きの1年のビザで、申請時に仕事が決まってるかどうかは関係ないとおもうんですけど。」説明すると、
「そんな訳ないじゃない。私は毎日ここで働いているのよ。これが私の仕事だから。あなたの仕事、決まってからまた来てください。」
と言われたので、こっちも呆れ、疲れた感じで、
「いいえ、そんなはずはないです。確認お願いします。」と言った。
そこでようやく、そのバカ女は内線で上司に確認を取っていた。
そして、「あーそうなの?!いらないのね?あははは。間違っちゃった。」的ことをいい、電話を切った。
「じゃ、通るかわからないけど、これで一旦申請だすわ。通るかわからないけどね。」
と謝りもなく、嫌味ったらしく言われた。
もう、イライラというよりは、慈しみの目で彼女を見ていた。
きっと彼女はこの仕事を好きではないのだろう。
毎日毎日、移民の相手をして、疲れているのだろう。
確かに移民の中には面倒な人も多いだろう。
しかし、生活の為には働かないといけない。
彼女のストレス具合から、きっと彼女の日常はあまり幸多きものではないんじゃないだろうか。
と色々大きなお世話を焼いていた。
もうこの時点で(あのウンチ女ともう話すのしんどいし、もうええから断ってくれたら、また明日にでも来て、別の担当者に説明するんやけどな。)とさえ思った。
そうすると、部屋からその女が出てきて
「許可降りたわよ。これが許可証ね。」と渡してきた。
なおや、勝利の瞬間である。
しかし、その女は続けて、
「でも一年じゃなく、あなた31歳になるから、誕生日の前日までのビザだから、10ヶ月ほどだからね。」
と言われた。
これもそんなことはないはずなのである。
そう訴えたが、そいつは「31歳までっていう規定があるのよ。それ以上は出せないに決まってるじゃない。」と言ってきた。
しかし思い出して欲しいのが、これまで彼女が僕に言ってきたこと全て間違えており、僕が正して、ようやく自分の間違いに気づき、そして許可がおりたのである。
全部間違えていたのに、最後の最後まで、自信満々に間違えて、もはやマヌケである。
もうこの心のブサイクと話すのは疲れきっていたので、
「もうそれでいいです。でももうちょっと勉強したほうがいいですよ。いろいろ。それでは。」と言って帰った。
ようやく終わった。
時間にしてその女との時間は30分も無かったが、何時間にも及ぶ死闘を繰り広げたような疲労感であった。
海外での役所の手続きは特にこういうことが多いというのはホンマやったんやな。と体験した。
人のことを悪くいうのは僕だって嫌だが、これから同じような手続きをする方にとって参考になればというのと、日本の役所も悪口を言われがちだが、こちらに比べるとウンとマシであるんだよ。とうのを解っていただけるかなと思い、今回の体験談をご紹介させていただきました。
読みながらイライラされた方もいると思うのですが、何はともあれ、とにかく10ヶ月はドイツにおれることが決まったので、次回から色んなドイツをはじめ、ヨーロッパでの楽しい経験をお伝えしていく予定ですので、次回以降もよろしくお願いします。
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