お金があるということ


この先、なんぼ使うかわからんし、ケチ過ぎずに出来るだけ節約せなアカンな。と旅中はいつも心がげています。

物価の安い国では、食事が50円違うだけでこれは高いな。。。と値段を気にしたり、150円ぐらいのビールを買うのも悩んだりと、安い物価の中で感覚がバグってた中、今度はオーストラリアで日本以上の物価に直面していた。

何をするにも、高いな。と思わずにはいられへんかった。

例えば、「ラーメン奢ってあげるね。」と友達に言われ、ヘラヘラと連いていったものの、

一杯、2000円。

「高すぎるわ!自分で払うわ!」と言っても、
 「安い方だから大丈夫だよ!」

らしい。

しかも街中に停めていた車の駐車場代も1日、4500円。

「高いんじゃ!ワレ!コラ!」と言わざるを得ない、旅行者にとっては厳しい国オーストラリア。

しかし、こんな自由にバックパッカーしてる時じゃないと長期滞在できないのもオーストラリアで、僕は前回のパースから、アデレートという街に飛んだ。

知名度こそ低い街やけど、以前の職場の同僚であるミカちゃんがオーストラリア人男性のマットと結婚し、アデレートに住んでいるのである。

ミカとは同僚やった時から仲良くさせてもらってたんやけど、オーストラリア在住で会う機会も少なく、何やかんか連絡取り続けてる絶妙な距離感の友達。

そんなミカやけど、旦那のマットと共に大阪に帰省した時は、

 「なおやにマットと彼の友達のデービッドを観光案内お願いしたいんやけどいいかな?」と頼まれる。

マットとデービット。
英語の教科書の登場人物のような代表的な名前。

ミカ「私はせっかくの大阪で友達と遊びたいから、3日間、彼の事よろしくね!」
と丸投げしてくるような女。

僕「え?!3日間?!しかもあんた来えへんのかい!」

といったところで、

ミカ「うん!マット楽しみにしてるから!よろしく~!」

僕(えぇ。。。モノ頼む時だけめっちゃ距離感つめてくるやんけ。。。)

ってなぐらいのサバサバガール。

そこが好きなところなんやけどね。

そんな感じで僕から「オーストラリア行く時泊まらせてくれるー?」って聞いたら、二つ返事で「好きなだけ泊まってもいいよ!」と言ってくれた。

(ホンマにええんかいな。)と思いながらも、
 「オーストラリアで絶対会おうねー!きゃー!きゃー!」っていうよく社交辞令で言ってたことを実現させることにした。

こういうのって大体実現せんと終わるけど、できるとなるとホンマ嬉しい。

そんなこんなで旦那のマットとも既にお友達で、アデレートの空港までマットが迎えに来てくれてた。

冒頭でちょっとお金の話をしたんやけど、マットは起業家ビジネスマンでお金持ちなのである。

汚いバックパッカーの僕には似合わぬ、乗り心地の良い高級車で迎えにきてくれた。

到着したのは、海からすぐの邸宅で「いらっしゃーい!」とミカの声が聞こえた。

日本の友達に海外で会うのはホンマに新鮮でワクワクする。

感激の再会の挨拶もそこそこに、上がらせてもらうと、開放感のある広い空間で、まさに海外の金持ちの家っていう感じのお宅。

(つい先日までインドネシアで一泊400円の宿に泊まってたのに、こんな綺麗な所に泊まるなんて、ギャップがスゴイな。。)と思っている僕をよそに、ミカは僕の寝床になるベッドもセットしてくれていた。

ミカ「枕は2種類おいてるから、好きな方選んで使ってね。」

なにが。

安宿では、診療所で使うようなカチカチの枕やったり、向こう側が見えそうなぐらい薄い枕を提供されていたので、好きな方もなにも、(どちらにも嫌われたくない! どちらか1つなんで選べないよ!)という心境である。

そんなミカリンのセレブ先制攻撃をくらったところで、家の中を案内してもらうことに。

「ここが客用のシャワールームだから、なおやが使ってね。」

そう。客用シャワールーム。

(シャワーなんて、そない急がんでも、主人も客も順番に使えばええがな。)って思うんやけど、西洋人の考えはよくわからん。

そして、シャンプーからバスタオルまで全部用意してくれてた。

バスタオルもブランケットか?いうぐらい、デカくてふわふわ。

ここ最近僕は、シャンプーすら面倒くさいから洗髪も石鹸を使い、バスタオルも持ってたんやけど、かさばるし邪魔やと思って、旅の序盤で誰かにあげて、ずっと普通のタオルで体を拭いてた。

そんな僕には高級ホテルのようなおもてなし。

パパッとシャワーを浴びさせてもらい、「せっかくだからお酒でも飲もうか。」となりマットが向かったのは、ワイン専用の冷蔵庫。

はぇ~~~。。。と貧乏ヅラ丸出しの僕。

いいワインはそこで保管しているらしく、せっかく僕が来たからということで、その中から一本、飲みごろのものを開けようと言い出した。

「お大名様!!!
わたくしめは恥ずかしながら、ワインの味の違いなど、これっきしわからぬ平民にござりまする。
なにとぞ、その良いワインというのを蔵へお戻しになって、あなた様がおっしゃる、その安いワインの棚の方から頂戴させていただこうではございませんか。
わたくしめには、そちらで十分にござりまする~~~!!!」

と、時代劇ならばこんな風なセリフを英語で伝えたものの、マットは
「ミカは普段あまり飲まないから、相手がいる時に一本空けられるのがいいんだよー。」とのこと。

そう、おっしゃるのであれば、では私もセレブ体験させてもらいましょ。

値段は1本でミャンマーの1ヶ月分の食費を余裕でまかなえるぐらいの価格で、格差世界やなぁーと思った。

マット「このワインは今がちょうど味がしまって、深みのあるテイストなんだよ。これ以上期間がたつと、渋くなりすぎるんだよね。」

僕「あぁ~なるほど。確かに。すごい。しっかりした飲みごたえのある味。これ以上濃いと、キツい味すぎるね。」

知らんけど。

ここまでしったかする機会も珍しい、しったか。

これから勉強していきます。


「おつまみにチーズあったから、それ食べようか」といって用意してくれた3種類のチーズとクラッカー。

チーズ専用の木の板にのせられ、チーズ専用のナイフでカット。

チーズ乗せて、切るだけの能力かよ、お前らは。

そんなものが一般の家にあるなんて、なんて贅沢品なんだろう。

ある意味、すごい無能なこいつら。

しかし、この贅沢品が醸し出す、贅沢な時間と雰囲気はもちろん至福のときであり、金持ちには金持ちの時間とお金の使い方なのである。

そして初日からほぼ毎晩、マットとミカは色んなワインやウィスキーをごちそうしてくれて、すこしワインの味がわかるようになったかも知れない。

こんなワインをたくさん楽しめる事は普段ないので、貴重な経験だった。


翌朝、小さなサマンサ嬢が起こしにきてくれて、人見知りしないサマンサとすぐに仲良しになれた。

日本語と英語を使い分けるサマンサに、なるほど、こうしてバイリンガルの子って育っていくんやなー。頭いい子になるんやろなぁ。と感心していた。

サマンサは「お兄チャン」という言葉を知らずしてか、
 「お姉チャン!モンスターくるよ!」と僕の事を「お姉チャン」と呼んでいた。

「お兄チャンだよ」と言っても

サマンサ「お兄チャン!モンスターくるよ!こっちだよ!お姉チャン!」

と、速攻でまた間違えてた。

滞在させてもろた一週間、その都度、何回も訂正し続けたけど、結局最後までなおらんかった。

この子はひょっとして、アホちゃうか。
頭いい子に育つかどうかは様子見である。

というのは冗談で、実は元保育士である僕、ある程度は子ども慣れしているつもりやったけど、サマンサは素直で、愛情たっぷり育ってるのがよくわかる、とっても可愛らしいガールで、癒される存在やった。


そして、前述のマットと共に大阪に遊びに来たデービッドもアデレート在住で、デービット邸でホームパーティーを開いてくれた。

最近新しい家を購入したというデービッド御殿は、噂によると、

ちょっと!奥さん。億円越えみたいよ。

はぇ~~~。。。

その御殿は、そりゃもう閑静な高級住宅街というのが肌で感じられる、関西でいうところの芦屋のような場所に位置している。

芦屋、行った事ないけど。

新築の香りが残る洗礼されたデザインのお家で、芝生の中庭には常設のバーベキューグリル、ライトアップされるジャグジー付きのプール、大きな木も植えられており、
(こんな素敵なお宅に安物のTシャツと履き潰した靴しか持ってない僕って一体。。。)
と思わざるを得なかった。

デービッドも家の中を案内してくれ、いくつもの広い部屋に、絵画や芸術品もたくさんあった。

その中でも、僕が個人的に目を引いたのが、このトマトだかリンゴだかわからん金色のオブジェ。(下記、写真参考)

僕はもし将来すごい金持ちになったとしても、果たして、このオブジェを買う精神的な余裕はあるやろうか。としばらく考えて、

(もちろん美しく綺麗なんやけど、お金はあっても、これは買われへんやろなぁ。)と思った。

部屋の隅にボツンと置いていたこのオブジェに、お金持ちと庶民の思考の違いを気付かされたのであった。

「あら、いいじゃない。」と思ったあなたはセレブ思考。
「いらんなぁ。その分、美味いもん食いたいわ。」と思ったあなたは庶民思考なのかも知れませんね。

1週間も面倒をみてくれて、かつこんなに貴重なセレブ体験をさせてくれた、ミカ、マット、デービッドには本当に感謝しながら、図々しくもひっそりと絶対また遊びにきたろ。と心に誓い、次の街、メルボルンに飛び立ち、貧乏旅を再開するのであった。



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