場違いシンガポール







クアラルンプールの後、シンガポール在住の大阪の友達が何人かいるので会いに行っていた。

5日間、旅を休憩して、友達と日本語で話してリラックスできるのを心の底から楽しみにしていた。

その中でも、インヒャンは現地で駐在員勤め、コンドミニアムに一人暮らしとの事で泊まらせてもらう事に。

まず、コンドミニアムってなんや。思いながら、事前に教えてもらった住所には高層マンションが並んでおり、小汚いバックパッカーには相応しくないところやった。

しかもゲートには警備員在住。

負けたらアカンでーと思いながらも、似たようなマンションが立ち並んでおり、どれが正解の建物かすらよくわからん。

警備員の方に確認し正解の建物はわかったものの、部屋番号がわからん。

住所に記載されている#04-01という暗号は、401号室という事なのか??それすらもよくわからん。

0401→呼び出しボタンを押したつもりやったのに反応がなく、背後から

「何か問題かい?」

いやいや、あなたはさっきの警備員のおっちゃん。

戸惑いながら「あれ?なんで?」と聞くと、警備員呼び出しマークを押してたようで、部屋の呼び出しは右下のマークだよと教えて貰った。

田舎もんまるだし。

初戦のオートロック戦に苦戦し、ようやく

「なおや?」
 やっとのことで、インヒャンがでてくれた。

この声を聞いた時の安堵感といったら、もう女神の声。

ろくにオートロックも使えないなんて、情けない。

久しぶりにインヒャンに再会しテンションがあがると同時に、部屋の中もめっちゃ広くて開放的で、なるほどこれをコンドミニアムというのか。という綺麗な部屋やった。

インヒャン仕事前の忙しい時間に着いたにも関わらず、部屋の使い方を説明してくれた。

「まず、ここがゲストルームでベット2個あるから、好きな方使って!」

なんやて。

あなた1人暮らしやのに、客用の部屋があって、使ってないベッドが2つもあるやて?

はえー。

「ほんで、ここがゲスト用のトイレとシャワーな!」

なんやて。。

あなた1人暮らしやのに、トイレとシャワーが自分用と客用に2つあるやて?

はえー。。。

「裏口から出た方が便利やから案内するわ!」

と言われてついていくと、

「この外のプールも自由に使っていいし、テニスコートもあるで」

なんやてー。。。

もう疲れる。

僕「あのー、ちなみにお家賃なんかは、、、」

インヒャン「会社持ちやけど、35万ぐらいやで!」

ひぃいい。そうですか。。。

東南アジアの物価に慣れてきてたもんやから驚きも倍増で、駐在さんってこんないい暮らしなんやなぁ、と驚き続けた。

そして、その後すぐにインヒャンは仕事へ出かけ、しばし1人タイム。

貧乏旅中との環境のギャップに戸惑いながら、いっその事、僕もこの1人の時間は、大手企業のエリート駐在員の休日を気取って過ごしてみようと思った。

余計な事にチャレンジしてみる精神だけは強い。

さて、このあたりで皆さんは、こいつはこれからどんな事しでかすんやろうと思っていらっしゃるでしょうか。

よし。やってみよう!と思ったものの、ない。

ないのよ。

エリート駐在員がどういう風な休日を過ごしているかなんて知識が。

知らないのよ、そんな事。

家でも綺麗めカジュアルな服来て、紅茶片手に読書でもしてるんかも知らん。

でも、僕のカバンにはボロボロのTシャツばっかで、形から入る事も許されず、すぐに諦め、ソファに座るのも変な感じがしたので、気づいたら床に三角座りで缶ビールとオカキでネットサーフィンしてた。

いつもと同じ。

駐在員体験を挫折し、しばらくすると、同じくシンガポール在住の大阪からの友達、アヤミから連絡がきて、仕事あがりにこっちに来れるとの事。

今日はインヒャンが遅くなるとの事やったので、ワクワクしながら彼女の到着を待ち、数年ぶりの再会。

外国で日本の友達と会えると、ホッと安心するし、大阪弁で話せる嬉しさは極上で、シンガポール生活を聞いたり、僕の旅の思い出を数時間、語っていた。

しばらくすると、アヤミがタバコ買ってくるわー。と言い、1人に。

こんな高級住宅街にタバコ買うところなんてあるんかいな。と思いながらも、割とすぐに帰ってきたので安心した。

その後、もう1度ガチャっと玄関が開く音がした。

「ハーイ!」と入ってきたのはインヒャンではなく、僕とアヤミの仲良しガールであるサツキが、僕を驚かせる為だけに、わざわざ大阪からシンガポールにサプライズ訪問してくれたのである。

オカンの腹から出てきた時と同じぐらいこれにはビックリしたね。

どんなけ僕を驚かすんや、シンガポール。

嬉しいサプライズをもらい、インヒャンも帰宅し、アヤミの旦那さんで友達のシゲルも合流し、みんなでパーティー!

みんなにも旅の話がしたかった僕はアヤミに

「さっきと話かぶるけどゴメンな」と断りを入れると、

「このサプライズ成功させる為に、あんたの話全然頭入ってなかったから大丈夫!」

と言われた。

大阪弁に喜び、数時間キャインキャイン話してたのに、聞いてなかったんかい。

大阪ではこんな風な宅飲みなんてしょっちゅうやってたけど、この数ヶ月、こういう雰囲気に飢えてたんやなぁ。

早く旅でたい。って思ってたけど、旅にでると、日本の友達と馬鹿騒ぎしたいなぁ~と思うなんて、やっぱり人生無い物ねだりやね。

そして、いざみんなで観光にいくと、僕には全く用事のない、ルイビトン、ティファニー、シャネルなどの高級店に高級ホテルがあちこちに立ち並んでいる。

相手側もこんな貧乏人に入ってきてほしくないやろう。

そしてレストランで4人で軽く食事とビールのんだだけで
「1万6千円でぇす♪」とかシレッと言うてくる。

いや、たっか。

ボッタクリちゃうかと思ったけど、それがシンガポール価格。

何回も言うけど、東南アジアの他の国とのギャップがでかくて、僕も先進国日本出身やけど、逆カルチャーショックのような体験やった。

叶姉妹ぐらい金持ちになったらもう一回来たるわ。シンガポール。

旅中に新しい友達に出会うのも刺激的やけど、こうして古い友達とリラックスした時間を過ごせた、5日間のシンガポールでありました。


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