ボルネオ島 ジャングル探検

今回の主役
    
クルーズで発見した巨大クロコダイル



僕は何か計画したり、挑戦したりする分には度胸がある方なんやけど、病気とか何か莫大な負担になるような事に対してはとっても小心者であると自負している。

例えば、身体のどこかに変な感覚がするなと思ったら、すぐにガンかも。。。と不安になり、寝ても冷めてもその事ばっかり考えて、時には病院に行ったりもする。

そして、お医者さんに、特に何もないですよ。と嬉しい結果報告を受けると、そのお会計をしてる段階で、もうその症状は消えて、気分爽快な生活に戻っていく。

身体の異変には迅速に対応するのがベストなのは当然の事やけど、僕の場合はその小心者さが引き起こす、まさに「病は気から」の回数が他の人より多いのである。

他には、特にこの旅なんやけど、財布やパスポートなどの最重要なモノを、(なくしたかも!)と思った瞬間、サーっと血の気が引いていくような、(どないしよう。どないしよう。)と心臓の鼓動が上がっていく感じ。

泣きそうになりながら、探して見つかった時の安堵感。

こういう時の不安な気持ちをわかってくれる人、意外と多いんちゃうかなーと思う。

さて、そんな情けない自己紹介を済ませたところで旅の話。

僕は同じマレーシアでも東側の島、ボルネオ島に移動した。

ボルネオ島では、野生動物を観察できるジャングルクルーズやトレッキングがあり、珍獣ファンの僕は、なかでもボルネオ島にのみ生息する天狗ザルを是非みてみたいと思い、2 泊3日のジャングルツアーに参加した。

実は絶滅危惧種の天狗ザル。 是非出てきておくれよね。と願ったリバークルーズ開始5分後、すぐに群れが現れてくれた。

(あんな変な顔の猿が存在するなんて。。。

進化とはいえ、そんな顔にならんでも良かったんじゃ。。。)

と、彼らに対して大変失礼な感想を思っていた。

とはいえ、彼らも僕をみて
「頭でっかい人間がこっちみてニヤニヤしとんなぁ~。」と思っていたかも知れない。

お互い頑張っていこや。

と、勝手に共感していたが、後々調べると、彼らは他種と争わない様に毒性の葉っぱを主食とし、消化時に発生する熱を効率よく発散するために鼻が発達したとの説が有力だそうで、生きる上で非常に重要だそう。

かたや、僕のデカ頭は何の役にもたてへんどころか、オカン3人目の子どもやのに、僕産む時だけ、頭大きいから、おちょん裂けて縫うはめになって、生まれた瞬間から迷惑までかけてる、この頭。

生まれた後も、頭大きいから水頭症疑われて、超健康児やのに、しばらくの間、保育器で観察するハメに。

結果は「頭でかいだけでした。」やて。

幼稚園の時も、帽子のサイズがなくて僕だけ特注のXXXL。

大人になっても帽子は似合わんし、まずサイズ探しで一苦労。

役にたつデカッ鼻と、無能なデカ頭。

天狗ザルさん、失礼しやした。
これからもどんどん、立派な鼻を成長させとくれ。

何の話や。

肝心のクルーズでは他にも、ラッキーな事に巨大クロコダイルや、あのオラウータン先輩も姿を現してくれて、大興奮のリバークルーズやった。

そして、日が暮れて、次はこれも楽しみにしていた、ナイトトレッキング。

夜の熱帯雨林の泥道を散策して、夜行性動物を観察しようというもの。

懐中電灯のあかりを頼りに、野生の猫、ふくろう、昆虫など様々な生き物を観察しながら、どんどん奥に進んでいった。

すると、手の指にポタッと何かの感触がしたので見てみると、綺麗なナメクジ(写真参照)が乗っていたので、他の人に「みてー。綺麗なぁー。」としばらく見せびらかして、写真に収めていると、生き物大好きイギリス人のジョンが

「それナメクジじゃなくて、Leechやで!」と教えてくれた。

(Leechって単語なんやったかいな。ど忘れしてもうたな。

なんやっけ。。えーーーっと。。。思い出せそう。。。

あ!!!ゲッ!!!ヒルやんけ!!!)


僕「うわ!!Leechかよ!どないしよ!」

ヒルは吸血性で、いっぺん引っ付くと取れにくい。

周りに助けてもらい、なんとかヒッペ返してヒルを取り払った。

ジョン「血は吸われてない? 奴らは感覚を麻痺させて血を吸うから、気付きにくいんだよね。」

そもそも僕はヒルの知識なんてほとんどもってない。
(ヒルって噛まれたらどうなんの?怖いんやけど。。

ヒル?聞いたことあるけど、実際なんなん。

どんなけ手に乗ってたんやろ。

感覚を麻痺させるだって?!

毒はないんやろか。

毒!?

あってもおかしくない。だってここはジャングル。

あれ、そう思うと、舌がしびれてきたような。。。

毒、回ってたりして。。。

頭は、、、なんとなくクラクラしてきた。。。

足元もちょっと、おぼつかん。。。のちゃうか。。

あれ、救急車呼んだほうがいいんちゃうかな。

でも気のせいかな。

いや、確かに感覚が変なような。。。

死。。。

うわ。しかも今、海外保険、切れてる期間やん。。

これで莫大な治療費になったらどないしよ。。。)


心配してくれている皆さんのために、先に結論から言うと、これらは全部、まぼろし。

冒頭でお伝えした小心者の本領発揮である。

しばらく自分の内で我慢してたけど、もうこの不安をどうする事もできなくなって、ジョンに打ち明けた。

僕「さっきヒルおったけど、毒ってないの?なんとなく全身の感覚が変な感じがするんやけど。。」

ジョン「え?見せてみ。うん。吸われた後も無ければ、血もでてないし。そもそもヒルに毒はないから、気のせいだよ。」

・毒はない。
・気のせいだよ。

恥ずかしー!!!

一瞬の間に、舌のしびれ、めまい、感覚の麻痺という一大事を、想像過剰によって生み出し、いつも通り最悪の事態を想像して、治療費の事まで考えて。

それが全部気のせい!

気のせいでよかったんやけど、動揺して質問した事が恥ずかしい!

よく見てごらん。

手の甲、なんともなってない!


ジョン「いや、でも変な感覚があるなら危険やからガイドさん呼ぼうか?」

僕(やめて!僕はもうわかってる!これはもういつものアレやねん!)

「大丈夫!多分なんともないから!」

と答えた時には前述の症状は一切なく、恥ずかしさだけが残っていた。

次の日もジョンは心配してくれて「手なんともなってないかい?」と聞いてきてくれた。

(有難いことやけど、もうその羞恥心消し去りたいねん。)と思いながら、もちろん何事もない、綺麗な手の甲をみせて、

「うん、大丈夫やったみたい」と、ヘラヘラしながら答えて、この一件は終了した。


最悪の事態を想定するのはいい事かも知らんけど、もう少し楽観的になりたいと思うのであった。