美しき街と人 クアラルンプール

有名なツインタワー
         



「イスラム教」と聞いて、危険、テロ、イスラム国などネガティブなイメージを持っている方も多いと思います。

しかし、それは限りなく極一部の過激派のイメージで、僕の周りの実際のイスラム教徒の方々は、家庭や環境によって違いはあるものの、コーランの教えに従い、「清く・正しく・美しく」の日常生活をおくっている様子である。

僕は、東南アジアの中のイスラム教国家、マレーシアに向かい、7年ぶりモロッコ以来のイスラム教の国という事でワクワクしていた。

マレーシアの首都クアラルンプールは、洗礼された都会の街並みと夜景で、ミャンマーが古い街並みという事もあり、タイムスリップした様な感覚だった。

僕は事前に情報をあまり調べずに観光してるんやけど、クアラルンプールについては全く調べておらず、どれほど栄えてるのか、どんな街なのか知識がほとんどない状態で向かったので、(え!?ここは東南アジアの国なんかい?!)という感覚やった。

正直、都会の街の鮮麗さレベルで大阪、負けてるな、こりゃ。

クアラルンプールについてナゼ全く調べなかったかというと、6年ぐらい前に韓国に旅行した時に出会ったマレーシア人の友人、アミアーが空港まで迎えに来てくれて、おんぶに抱っこで観光も案内してくれるというもんで、持つべきものは友人だなぁと思っていたからである。

フェイスブックなどのSNSのおかげで昔に出会った友人とも引き継き交流できているのは本当にありがたい話。

特に僕は義理堅いとみんなが言ってくれるように、せっかく一度出会ったんやから、その人情は捨てられないというのが僕のポリシー。

僕の中では6年前に会ったきりといえど、友情に変わりはないのである。

急に自分語り。

飛行機が遅延して、1時間半も待たせてしまったのに、迎えに来てくれたアミアーは満面の笑顔で出迎えてくれた。

アミアーは敬虔なイスラム教徒の家庭出身で、彼自身もイスラムの教えに従い生活をしている。

どんな生活か尋ねると、基本的なコーランの教えの、嘘をつかない、盗まない、余計な殺生はしないなどは勿論、

例えば、豚肉を食べないという有名なルールに加えて、鶏肉・牛肉もハラールというイスラム教流にさばかれて死んだモノしか食べられないのである。

なので、マレーシアのマクドもハラール式の牛肉、鳥肉だそうで、日本の美味しい和牛や地鶏は残念ながら食べられないそう。

ひぇ。


そして、アルコール類は一切禁止。

ひえぇぇ。


そして、結婚前のキス、性的交流一切禁止!!

ひえええええぇえええええ!!!!

何と付き合っているガールフレンドと手をつなぐ事もないそう。

ごく一般的な日本人の方にとっては、これって中々しんどい生活やんけと思ったはず。

もちろん、僕もそう思った。

そして次の日、僕はもしかすると汚らわしい人間なのかも知れないという経験をする。


アミアーは彼の友人4人と僕とで、夕食を企画してくれた。

日本だと「飲みに行かへん?」と誘うのが多いけど、「夕食に行こうか?」と誘ってくれたのが、イスラムの文化を表している。

レストランに集まってくれた皆は本当にフレンドリーで、明るく、冗談を沢山いって笑い合っていた。

マレーシア料理がどういうモノかも知らなかったのでメニューを眺めていると、やっぱり豚肉の料理は一切なく、ここから色んなイスラムに関する質問をした。


僕「みんな、これまで一切豚肉食べたことないの?」

友人「ないねぇー。豚を食べるっていう習慣がないから、感覚がわからん。豚ってどんな味なの?」

僕以外はみんなイスラム教徒で、彼らも日本の生活に興味ありといった様子。

僕「うーん。。。牛肉とも鶏肉とも違う、脂が多めで独特の味で、美味しいで。」

友人「牛肉と鶏肉とどっちが美味しい?」

僕(むむむ。。。僕、豚肉大好き。。)

「個人的には 豚肉>鶏肉>牛肉 かな。。。」

全員「何ーーーー?!そんなに美味いんかい!」

僕「いや、あくまでも僕、個人の味覚やから。。。」

全員「へぇー。そんな味なんやねぇ。」

もちろんそれでも食べたい!とならない彼らとは違う文化で生きてるんだなぁと改めて思った。

ちなみにマレーシア料理は、中華料理のテイストも混ざっており、何を食べても本当に美味しく、個人的には東南アジア料理の中でナンバーワン。
是非挑戦してみてね。


そして、飲み物を注文するときに気づいたのが、アルコールのメニューがないのである。

僕「みんなお酒って一切飲んだことないの?」

全員「ないねえ」

僕「飲んでみたいと思ったことは?」

友人「どんな感じかなと思ったことはあるけど、お酒を飲むっていう常識がないよ。」

僕「ほうほう、日本やと、こういう食事の場だと絶対にお酒はついてくるねん。」

友人「マレーシア人は頭おかしいから、シラフでも大盛り上がりさ!」

なるほど。彼らのテンションは終始高いし声もでかい。

友人「なおやは酔っ払うとどんな感じになるん?」

僕(限界わかってても、調子のってアホみたいに飲んで、友人に汚い言葉を吐いたり、キス魔になったり、友人の介抱を必要とする時もありゃあ、知らん間に怪我してるし、時には路上や電車の床でイビキかいて寝てる、さらには気づいたら知らん人と寝てることもある。。。)

全部言いたくない!

お酒を飲まずしても、友人たちと純粋に楽しい会話と夕食を楽しんでいる彼らには何も言いたくない!

僕「うーん。ちょっとおしゃべりになって陽気な感じになるかな。」

要約しすぎ。

イスラム教だけでなく、いかなる宗教でも禁じられている「嘘」に限りなく近い要約にやや心痛める。

友人「例えばどんな行動するん?」

僕は(それ以上聞くんじゃないよ。。。)と思いながら、嘘ついてもしゃあないかと思い、全部言ってやった。

その反応は「お酒ってやっぱり怖いし、健康に良くなさそうだね。」

おっしゃる通りでございます!

そして私も充分理解してるつもりが、やっぱり飲んでしまうんや!

友人「依存性もあるし、飲みすぎたらダメだよ!」

ぎゃあーーーーお許しをーーーー。

健康には気をつけようと改めておもったし、彼らほど説得力のある人はなかなかいない。


友人「お酒のんだらセックスしたくなるって本当?」

僕「なんかムラムラしてくるのは確かだね。」

一同 爆笑。「なんだよ、それ!」

僕「みんなはほんまにセックスしたことないんやんな?してみたいと思わないの?」

友人「してみたいとは思うけど、結婚相手以外とするもんではないと思ってる。彼女もいるけど、偶然、体に触れてしまったりすると、気まずい感じになる。」

なんと!

敬虔なイスラム教徒の方たちが、現代でもそこまで徹底しているとは、全く想像してなかった。

友人「なおやは何人とやったことあるん?」

絶対聞かれると思った。

日本人にとっては、めっちゃ多い人数ではないけど、なんとなく言いたくない。

彼らを前にして、チャラチャラと生きてる様な人間に思われたくないよなぁと思った。

僕「いやぁ、僕はそんなモテるタイプじゃないから、そこまで経験人数多くないねん~」

とまぁまぁウマイ切り返しができたなと思った後、みんなは

「あぁ~そうなんや~。」と妙に納得した様子でそれ以上聞いてくることはなかった。

いや、そこスッと理解すなよ。

そんなことないやろー。って言えよ。


こんな風に、日本とマレーシアの文化の違いの会話とたっぷりとした、豚肉、お酒、セックスがなくても充分に楽しい夜やった。

もちろん、マレーシア人が全員彼らと同じではないけど、こんな風に考えてる人もいるんやなぁ~と思って楽しんで読んで頂けていれば、嬉しい限りでございます。

また来るわ。クアラルンプール。