古き良きミャンマー
子どもや女性はこんな白粉みたいなんをつけてる
旅をスタートして約2ヶ月たち、5カ国目のミャンマーはヤンゴンに到着
なんとなく近いし行ってみようかなと、よく知らないまま入ったミャンマーは、観光客を受け入れるようになってから数年しかたっておらず、仏教の影響や自国の文化が生活に強く根付いてるのが街を歩いてるだけでよくみられる。
例えば、男性はロンジーという布スカートを巻いてる人が目立ち、女性や子どもは顔に泥パックのようなものを塗っている人が多く、他の国では見られへん景色がめっちゃたくさんで、知らんけど、50年前の日本ってこんなんやったんかなって思うほど。
そんなヤンゴン初日の宿で、同室の日本人のジュンとドイツ人のデービッドと知り合い、次の日、一緒に観光することに。
ジュンは日本の大学生で世界一周バックパッカー。
しかも「大学の専攻はミャンマーについてなんですよー」って言うもんやから、
「いっちょ何か教えておくれ!」って、そりゃなるやん。
「いっちょ何か教えておくれ!」って、そりゃなるやん。
ジュン「あんまり詳しく教えられる事はないですねぇー」
ズコッ。
デービッドは典型的なちょっとアホっぽい西洋人って感じで、
「靴下がないから靴履けないや。」という理由で、きったないヤンゴンの街を裸足で一日中歩いて、アハハハハと笑ってるようなやつ。
ちびまるこちゃんの山田くんを西洋人にして21歳ぐらいにしたイメージ。
イメージわかんか。
そして3人で仲良くなり、旅は道連れで、最終的にミャンマーの約1ヶ月間ずっと一緒に旅する事になった。
いつでも一緒に過ごして、2人とは昔からの友達のような感覚になり、むしろ安定感がでてきた、11日目。
寝ても起きても知ってる人がおる安心感、どこ行くにも仲良く3人で移動して、2人から色んな事を教えてもらい、何の文句もない、充実の10日間。
むむむ。
なんやろこの居心地の良すぎる感覚は。
そして、ふと満足感の中に感じる、何かが足りない感。
でも、それは一体なにが足りないのだろうか。
そんな3人はミャンマーの仏教遺跡の街、バガンに到着し、バイクを2台借りて散策をする事に。
広大に広がる約1000年前の遺跡は壮大でまさに感動の景色やった。
ジュンとデービッドがバイクを2人乗り、僕は1人で運転しており、夕日を見終わった僕たちは、街まで移動して、夕食をとろうという事になった。
が、しかし、僕は完全に2人を見失ってしまったのである。
ネットもなかったので、2人に再会する事を瞬殺で諦め、僕は1人バイクをふらふらと運転して、地元の雰囲気が満載のところを見つけて、1人で夕食。
この1人でフラフラと、誰とも話さんと自分だけで移動するこの感覚、、この10日間ぐらいでちょっと忘れてたなぁ。
宿で再会した2人は申し訳なさそうに見失った事を謝ってくれたが、2人は全く悪くないし、むしろ1人の感覚をちょっと取り戻して僕は嬉しかった。
僕を見失った2人はニューバガンという町で夕食をとっており、僕だけ行けてなかったので、次の日に自転車を借りて、その日は2人と別行動をする事にして、1人でニューバガン周辺を散策することにした。
話は変わって、ミャンマーは日本の中古車がそのまま走ってて、◯◯観光バスや◯◯運輸などの車がそのまま走っている。
なんとなく、これらの車の写真をできるだけ集めてみようと思いついた。
そうと決まれば、iPhone片手にバガン散策。
レッツゴー!日本車探しの旅!
レッツゴー!日本車探しの旅!
おっ!北海道バス!
いいねぇー。パシャリ。
豊鉄観光バス。
どこだよ!豊鉄!知らねー!!! パシャリ。
福山通運のトラック
おぉ!有名どころのトラックがそのまま!これはレア! パシャリ。
ポケモンGOやってる感覚。
あ、ポケモンGOやってなかったわ。
ポケモンGOやってる感覚。
あ、ポケモンGOやってなかったわ。
撮っていくにつれて、ミャンマーで走ってる車の傾向がわかってきた。
観光地という事もあり、一番多いのが◯◯観光などの中古観光バス。
これらは目立つし、レア度の低さからCクラス。
次に◯◯物流や◯◯工業などの固有の会社名書いている車で、レア度が若干あがりBクラス。
これらに、◯◯町など住所や電話番号が記載されているのは、ポイント追加でAクラスと格付け。
一体なんの話してるんやろ。僕は。
しかし、始めはゲーム感覚やったけど、駐車場に停まった観光バスを見つけては、にやりと顔を変え、警備の人に怪しまれながらも撮影し、ご満悦の僕。
信号待ちの《農場専用》と書かれた軽トラ目指して、自転車を全力爆走。
ブレ防止で20枚連写。
ハァハァと乱れる息を整え、綺麗に撮影できたか確認し、小声で「ヨシッ」とガッツポーズ。
なにがよしなんや。
ちょっと路肩で 休憩してる時なんかに、Aクラスの車が目の前を颯爽と走っていくと、
(ああぁぁぁあああ!ちょっと待ってや、こらー!!!)
と心で悲鳴。
ぜー。ぜー。
撮り逃がす。
悔しさを噛み締める。
撮り逃がす。
悔しさを噛み締める。
本当に悔しい。
なんのためなんや。
なんのためなんや。
そろそろ、皆さんもお気づきだと思いますが、
本当にクダラナイのである。
日本では当たり前のこれらの車を勝手に盛り上がって、必死に自転車で追いかけては写真を撮って満足する。
なんでかそれが楽しくなってくるのである。
でも、そんな人とは、ちょっとすぐ友達にはなりたくない。
しかし、このくだらない1人の時間の感覚が、僕の忘れてかけてたものである事に気がついた。
誰かと一緒に過ごす時間の楽しさ、そして、それがあってこその1人の時間の重要性。
自分の時間を、自分で決めて楽しむ。
誰にも束縛されずに。
そう、尾崎豊が伝えたかったその精神がここの見つかったのである。
ちゃうか。
この1日があったからこそ、2人の元により大きな笑顔で戻れて、改めて友達とおる時間も楽しめることを実感した。
後日、3人に戻って、改めて街中散策をしていると
《手作りのパンと笑顔をお届けします》
というS級レアを見つけて、「ちょっとゴメン!」と会話を遮り、撮影に走って行った日本車ハンター、なおやであった。